100年前も今も惑星は8つ

ドイツで近代的なプラネタリウムが登場したのが1923年。今年はそれから100年目にあたり、2023~2025年の3か年にわたってプラネタリウム100周年の記念事業が各地で行われています。三瓶自然館でも11月にいろいろなプラネタリウム番組が楽しめるスペシャルデーを開催しました。

その中で「百年前の星空」を織り交ぜる投影を一つ担当しましたが、そこで取り上げたのは100年前も現在も惑星の数は8つだということ。けれどこれは、「変わらずに8つ」ではなく、「変わって変わって結局8つ」なのです。

そもそも古代から肉眼でもわかり他の星とは違う動きをする星、ということで5つの惑星が知られていました。天動説の時代はこの5つと太陽・月が地球の周りをまわる、と考えられていましたが、17世紀以降に地動説が一般化したのちは、太陽の周りをまわるのが惑星であり地球もその一つである、ということで惑星の数は6つになりました。

望遠鏡による観測ができるようになってから、1781年ウィリアム・ハーシェルによって天王星が発見され7つに。1846年アダムズ、ルヴェリエ、ガレらによって海王星が発見され8つに。100年前の1923年時点でも、この8つが惑星の数でした。

ところが少し後の1930年、トンボーによって冥王星が発見され、惑星の数は9つに増えました。今で20代以上くらいの大人の方は「すいきんちかもくどってんかいめい」と覚えていたのではないでしょうか。

長く惑星の数は9つでしたが、21世紀になり冥王星よりも大きな天体が発見されるようになると「惑星」を定義づける動きがはじまり、2006年の国際天文学連合で冥王星は「準惑星」に入ることとなりました。つまり、惑星から外れて数は再び8つに戻ったのです。


この100年の間に冥王星が惑星になって外れて、という経緯を経て結局8つ。ただ冥王星は区分けが変わっただけでしっかりと存在していますのでご安心を。

一夜語(ひとよがたり)

プラネタリウム 一夜語 -ひとよがたり‐ 投影情報

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